「天才数学者たちが挑んだ最大の難問」 フェルマーの最終定理が解けるまで
アミール・D・アクゼル 吉永良正・訳 ハヤカワ文庫
フェルマーの最終定理:
「 xn + yn = zn は、n が 2 より大きいとき、自然数解をもたない」
17世紀にアマチュア数学者のピエール・ド・フェルマーが『算術』という本の余白に書いた
「それを記すには余白が小さすぎる。」というひと言でも有名なこの定理。
見た目簡単に見えてとんでもなく厄介な問題で、二十世紀中には証明されることは
ないだろうと言われていた「フェルマーの最終定理」が証明されたと発表されたのは1993年6月。
当時もものすごく気になってたんだけど
身の回りに一緒に盛り上がってくれる人がいなかったので
ちょっと寂しかった思い出も個人的にはあったりする(笑
グイン・サーガを買いに本屋に行ったらば、目に留まってしまったですよ。
で、読んでみたらば。
細かい数式なんぞ一切なく、ある意味数学史を追いかけるような話の流れ。
それこそ紀元前2000年のメソポタミアから話が始まるという面白さ。
無論ピュタゴラスの話も出てくる。そりゃそうだ、まずはピュタゴラスの定理
「 x2 + y2 = z2 」がないと始まらないからね。
時代を追うごとに話はどんどん複雑になっていく。
ユークリッド幾何学とかモジュラー形式とか言われてもさっぱりだけど(苦笑
とにかく先へ先へと読み進められるのは文章がいいせいだな。
最終的には「2より大きい自然数で、この条件を満たす数は計算上存在しない」というところに
行き着くわけで。
もともとどちらかと言えば理系寄りな私。
中でも証明問題は大好きで、授業そっちのけで教科書の問題解きまくったこともあった。
細かいところからひとつひとつ埋めていって、それらを拠り合わせるように
たった一つの答えにもっていって、それが正しかったときの快感っていったらもう♥(苦笑
あぁそうか、この本自体がそういう書き方をしてあるんだ。
それでわくわくしながら最後まで読めちゃったわけだな(笑
高校卒業してもう20年かぁ。脳みそもかなりくたびれてきてるだろうに
それでもこういう本を読んで「わくわく」できる自分であることが嬉しい。
なんだかちょっとだけ脳みそ若返ったような気がする(そんなわけあるかいw)